アンコウの旬

アンコウの旬は12~2月です。冬場は水温が低くなることで身が締まり、味がよくなります。アンキモ(アンコウの肝臓)も、春先の産卵に向け、肥大化する時期にあたります。

「暗愚魚」から「アンコウ」へ

アンコウとはアンコウ目アンコウ科に属する魚の総称で、タラの近縁にあたります。アンコウ類は17科270種ほどが知られており、日本近海には約60種が存在することが知られています。そのうち食用とされるのは、アンコウ科およびフサアンコウ科に属するものです。恐ろしい容貌から「暗愚魚(アングウオ)」と呼ばれていたのが変化して、現在の「アンコウ」になったといわれています。

東のアンコウ、西のフグ

アンコウは、江戸時代から水戸藩から将軍家へ献上された記録もあるなど、東の代表格の魚でしたが、現在は関東地方だけではなく日本全国で食べられています。輸入されているものもありますが、国内の産地としては、福島県いわき市・茨城県大洗・千葉県銚子・山口県下関・熊本県天草、などがあげられます。主に冬が旬とされ、「東のあんこう、西のふぐ」ともいわれます。

釣りをする魚

北海道から南日本に分布。海底に生息する深海魚。体長は大きなもので2m近く、重さも60kg近い種類もあります。肉食性で、擬餌状体という誘引突起による待ち伏せ型の捕食動作をとる魚です。口が大きく、歯が発達しており、海底に潜んで他の魚を襲うのに適するため口はやや上を向いています。頭には2本のアンテナ状の突起があり、長い方には皮がついています。海底の砂に潜り、その突起の皮を水面で揺らし、寄ってきた魚を、丸呑みにして捕食します。

アンコウの「七つ道具」

アンコウの身は非常に柔らかくぶよぶよとしているため、まな板の上ではさばくことができません。そのため、下そぎあごの下から皮を裂きます。皮を剥ぎとり肉を裂き、肝と腸を取り出して切り離します。さらに胃袋を裂き、えらをはずし、身をそぎ、尾びれを切り落とします。アンコウは背骨を除き、ほぼ捨てるところがないことも特徴的です。アンコウの可食部位(肝・とも(手羽・腕・または胸びれ・尾びれ)・ぬの(卵巣)・柳肉(身肉・ほお肉)・水袋(胃)・えら・皮)を称して「七つ道具」となかでも、肝(アン肝)が最も重宝されています。 アンコウは、背骨以外全て食べることができます。

アンコウの主な栄養成分

美肌効果

ひれや皮にはコラーゲンが含まれています。コラーゲンを摂取することによって体内のコラーゲン合成が活発になり、肌にハリや弾力を与え、しわやたるみを防ぐ効果があると期待されています。

ビタミンA

アンコウの肝に豊富に含まれるビタミンAは、皮膚や粘膜を構成する上皮細胞をつくることに関わり、その機能維持に欠かせない成分で、免疫作用など全身の健康維持を支えています。特に皮膚、目の角膜や粘膜、口、鼻、のど、胃腸、肺、気管支、膀胱、子宮などを覆う粘膜を健康に保つ働きがあります。

記憶力学習能力を高める効果

肝に含まれるDHAは脳を構成する約140億個の脳細胞の膜に存在し、脳内でも特に記憶や学習に関わる海馬に多く集まっています。DHAは脳を活性化する働きがあるため、海馬のDHA量が頭の良さに関わっているといわれており、脳の栄養素とも呼ばれています。DHAは神経細胞の発育を活性化させ、機能維持に重要な役割を果たしています。DHAは記憶や学習能力を向上させるために必要不可欠な成分です。アンコウの肝にはDHAが豊富に含まれているため記憶力、判断力を向上させる働きがあるといわれていますが、プリン体も豊富に含まれているため食べ過ぎないよう注意する必要があります。

生活習慣病の予防・改善効果

アンコウの肝に含まれるDHAには、血管壁の細胞膜を柔らかくする働きがあるため、血流を改善する効果があるといわれています。また、勢いよく血液が流れても血圧が高くなるのを防ぐ働きもあります。同時に赤血球の細胞膜も柔らかくするため、血流が改善され血液がサラサラの状態になるといわれています。DHAは悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉(HDL)コレステロールを増やす働きもあります。これらの働きにより、血流を改善し、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞、高血圧、高脂血症などの生活習慣病を予防できると大きく期待されています。

肝にはEPAも豊富

EPAには高い血小板凝集抑制効果があり、血栓をつくらせない働きがあります。心筋梗塞や虚血性心疾患など、生活習慣病予防の効果があるといわれています。善玉(HDL)コレステロールを増やし、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を減らす働きもあり、血液をサラサラにしてくれます。高血圧の予防や改善に効果があるといわれています。

おいしいアンコウの選び方

食用では南日本で良くとれる「クツアンコウ」と北日本に多い「キアンコウ」があります。「キアンコウ」の方が美味しいとされています。どちらも形は似ていますが「クツアンコウ」の口の中は黒く体色は灰褐色であり「キアンコウ」の口の中は白っぽく体色は黄褐色であるのが特徴です。大きい方が味が良く、10kg以上のアンコウがもっともおすすめです。オスは大きくならず大物級はほとんどがメスです。切り身の場合は、皮色が暗黒褐色で弾力と光沢があり、身肉は桜色で透明に近いものを選びましょう。

アンコウの下ごしらえ&保存のポイント

冷蔵保存

下処理をして水分をとり、密閉容器かポリ袋に入れ冷蔵庫へ入れます。(保存期間:3~4日程度)

アンコウの調理のポイント

淡白な白身の魚

吊るし切りという方法でさばかれ、捨てるところは無いというほど親しまれています。鍋やからあげ、ムニエル、刺身、アンキモなどで食されています。